2024年研究報告
■研究活動概要
研究所設立12年目を迎え、研究所「拡大期」(2023-2027)の2年目として、継続して研究成果を広く社会に発信していくことを目的として研究活動に取り組んでいる。
2023年度からスタートした三菱UFJ銀行ウエルネスマネジメントコンサルティング部様とのファミリービジネスを対象とした学際的研究が進んでいる。堀場製作所(プライム上場、電子部品、業歴80年二代目)、ロマンライフ(菓子製造、業歴69年三代目)、パロマ(ガス機器製造、業歴114年五代目)の三社について、それぞれ淺羽研究員、落合招聘研究員、長谷川研究員をプロジェクトリーダーとして、各社へのインタビュー等をもとにケース執筆を進めてきた。また、各ケース担当者同士での進捗共有や情報交換を通して、ファミリービジネスについての俯瞰的な視座での共有を持つことができ、単なるケース執筆にとどまらず、ファミリー経営の理論や実践の理解を深める機会となった。2025年度もケース完成に向けて活動し、完成後は早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センターのケース委員会への登録を進めていくと共に、ケースの英文化の検討や新たなケースの執筆について対象候補企業の選定や執筆者の検討に入る予定である。
なお、2025年3月に指定寄付金として300万円を獲得している。
■ケース執筆プロジェクト
・堀場製作所 執筆リーダー 淺羽茂研究員
・ロマンライフ 執筆リーダー 落合康裕招聘研究員
・パロマ 執筆リーダー 長谷川博和研究員
■その他活動、成果
2024年6月18日から21日までスペインのリスボンで開催されたファミリービジネス専門の学会「IFERA」に長谷川研究員、落合招聘研究員が参加した。落合招聘研究員は「ファミリービジネスにおける「中興の祖」の生成メカニズムに関する研究」について発表も行ったほか、ファミリービジネス研究者とのディスカッションや情報収集を行うことができ、今後の研究に有益な機会となった。
・落合康裕招聘研究員
「後継者育成の3層モデル : 職場教育、地域教育、越境経験の融合」(信用金庫 78 (5), 3-8, 2024-05)
「創業家一族の理念の生成と浸透 : エーザイ株式会社の事例」(事業承継 =Journal of business succession / 事業承継学会 編 13 152-160, 2024-07 東京 : 文眞堂)


